伊勢で出会った気軽な着物ー春夏にぴったり柄の伊勢木綿

12:47:00

新年度が始まった4月1日、陽気もとっても暖かくなって桜も突然満開に咲き出しましたね。そんな新年度の始まりですが、このたびより改めて丸杉の専属デザイナー兼、商品開発企画部長兼、国内外仕入れ担当兼・・・・ということで何でも屋になった山本が、ことあるごとにレポートを書いていこうと思います。文など今迄書いたことのない愚人の書くレポートですので何卒柔らかい目で見守って下さい。
さて前置きが長くなりましたが、いよいよ春がやってきました・・・と書いている今日4日には早くも桜が散り始めています。きっとすぐ暑くなっていくことだと思われます。ということで、初回レポートは、「春から夏にかけてとっても重宝する伊勢木綿の着物」を紹介します。どうして木綿かというと、木綿の着物は空気をよく通すから。 ・・・という着心地は勿論ですが、今回は
「毎日着たい」
「家で洗いたい」
「そして気分で色とか柄を変えたい」
そんな着物を探していたら木綿にたどり着いたのです。
つまり平たく言えば 安く色々な着物を揃えたい(でもちょっといいものを着たい)という私のわがままです。

じゃぁどうして伊勢なのでしょう?はっきり申し上げて偶然です。本当にたまたま。偶然。別件にて伊勢に出張の道中でとても惹かれる木綿が目に入ったのです。先ほど申し上げた毎日着たいとか、安くて色々揃えれる着物を探していたのは事実ですし、伊勢に行くから松坂木綿の工場を訪れようと思ってたのは事実です。が、偶然にも伊勢木綿と出会うことが出来ました。


伊勢木綿???それって何なの?

今回の伊勢木綿の特徴は第一に一目で分かるおしゃれな柄。楽しく着たいって思うこの季節にはピッタリじゃないですか!
そして第二は触ってみてびっくり!木綿の風合いがとてもいい。柔らかく優しい。夏着ても気持ちいいんだろうな。って印象を与えてくれます。
これは工場を訪ねてその真相を確かめねば。との思いでその場で即電話。出張中の社長がたまたま夕方帰ってくるとのことで、そんな急な電話でも快く承諾してくれました。
工場は格子が素敵な古民家。

早速伊勢木綿について色々尋ねることにしました。
伊勢木綿。そもそもあまり存在すら知られていませんが、三河地方と同様に気候、土、水、運送などに恵まれ江戸時代より生産されいたそうです。つい50年程前迄たくさんの織機工場があったのですが、時代の流れで多くの工場が廃業し、一大産地であることを知る人はほとんどいなくなったそうです。
そんな中で、当時の技法をしっかり受け継ぎ続けているのが今回出会った伊勢木綿工場なのです。東京で非常に好評を得ているのだそうですが、三河、東海地方ではまだ取り扱いがほとんど無いということで、恥ずかしながら 今迄耳に入ってきませんでした。
東京での人気の理由は柄と風合い。柄は今迄の技法を使いながらも大胆で、楽しくて、おしゃれな色合いの物が多く、時代にあった柄だなと関心させられます。
そしてここの社長の面白いところは同じ柄を織るかどうかは分からないってところ。
もしかしたら今手に入れた柄はもう作らないかもしれません。社長曰く、同じ柄を作っていても進展はない。どんどん新しいものに挑戦し楽しんでもらいたいのだとか。豊富な色合いの柄を見れば納得です。
そして次はその風合い。どうしてこのように柔らかいのでしょう。と言うや否や出されたのは一本の紐。そして簡単にプツリと手でちぎったのです。糸のよりが少ないからと専門用語を並べるまでもなく一目瞭然。この生地がいかに優しい糸で出来ているか分かりました。
さらに工場を案内してもらうと、ビックリ。なんとあのTOYOTAの創始者の豊田佐吉さんから買った力織機が今でも動いているじゃないですか。
手でぷつりと切れる柔らかさ
なんと!豊田佐吉から買った織り機

確かにこれだけ柔らかい糸を使うには現代の高速織機では早すぎて糸が切れてしまうのも納得ですが、それにしても明治の中頃に豊田佐吉さんから買った織機が今でも動いているのには感動すら覚えます。
そんなこんなでとっても偶然に出会った素敵な木綿。この春夏は明るく楽しいコーディネートができそうです。

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