ところ変わってチェンマイにやってきました。今回で2度目だし慣れたもんです♪家に帰って来たかのような落ち着きで目指すは一路あのお母さんのところ。 この辺りはゴールデントライアングルの麓。ケシの栽培が盛んだったところですが、今は国際的な監視のもとケシの栽培は殆ど無くなっているそう。とっても良い方向に進んでいるなぁと感心します。その分手に入らなくなった生地があります。 ご存知(?)マリファナクロス。 本当に数が少なくなってミャンマー、チェンライ、チェンマイの中でも本当に見かけません。 そう、それで一目散に出掛けたのがチェンマイのお母さんのところ。ここには何故かあるのです。 昔からのつてがあるから入れてこれるんだ。と得意気に語るお母さん。「また買いに来るね」って伝えると首を横に振って、「来年にはもう無いかもしれないし、あってもとっても高くなってるじゃないかな。」って。 よっぽど少なくなってるんだと実感しました。凄くいい風合いなのに無くなるとか悲しすぎるぜ母さん。 そんなお母さんがインド人の友人から分けてもらった生地がまた面白い! お母さんにこれ私にも分けてって言ったら、これは中国が真似した刺繍じゃなくて、本当のインドの昔からの生地なんだ。その違いが分かるか? って熱心にその違いを語ってくれた。本当に生地を愛してるんだろう。 うんうん。と頷くと「じゃぁ二つもってきな」って。 ということでマリファナクロスを目指したら素敵なインド生地も限定2枚だけ手に入れる事ができました。サンキューお母さん。 いいのが入ったのでご飯もうまい! そしてぐっすり眠って明日に備えましょう♪ そう、とっても素敵な刺繍をするデザイナーさんに出会ったので、オリジナルが作れるか打ち合わせしてきます。今からとっても楽しみです。 ...
そして翌日。朝は雨。というか豪雨。ん〜どうしよう……と考えてたら約束の時間にエドウィンが迎えにきた。開口1番「さぁ市場でかけるよ」!?こんな大雨のなか??どうやら雨は慣れっこらしく、市場も何食わぬ顔でオープンしている。そして出会っちゃいました素敵な1枚。インテリアに最高のアクセントを与えてくれそう! ここまで来たかいがありました。即決してさぁ次へ。エドウィンにお茶やに連れてってもらう事に。 ワ州のモン族。山の人達という意味の山一面が茶畑という民族が毎朝山からお茶を運んでくるのだそう。なかでも一番茶がオススメだそう。だけどそんなに簡単には信じません。試し飲み。 (ついでに軽食) う、うまい!!! こんな適当に入れたのにうまい!飯屋のお母さんがもう一杯お湯を入れてくれた。二煎目。うまい!!!これは手に入れねばということで早速お茶やに戻りお茶入手。 まだまだ満足しない私はパロン族の村を訪れることに。 高床式の家の中でお母さんがトントンと織っています。 この村の女性はみんな腰にシルバーを付けていて、何でかと尋ねるとなんとも面白い伝説を相変わらず得意気にエドウィンが話してくれました。 何でも昔7人の天女が舞い降りて村人達は川を泳ぎそのうち1人の天女をキャッチした。天女は村に住みそこに子供をもうけた。天女は現世に残れるようにシルバーで重りを付けたそうな。現世の命が無くなると重りを外し天に帰るのだとか。 それじゃ彼女が織る布はさしずめ天女の羽衣ってことか。天女の帯って素敵じゃないですか。早速日本に帰ったら作ってみようっと。 ミャンマー最後はやっぱりアカ族でしょう。普通はなかなか来れないけど、運がいいことに案内人のエドウィンはチェントン出身らしく、じゃぁといってアカ族の家に連れてってくれた。 まってました。アカ族のインディゴブラック! 藁の軒の下で織ったばかりの白生地とアカ族の特徴のインディゴブラック、そして……最高の手紡手織りの古いインディゴ生地。これははっきり言ってこの旅最高の掘り出しものです。中々これだけのものは見つからないでしょう!これを帯にしたら…渋すぎる!想像しただけでワクワクしちゃうくらい素敵な生地に出会いました。 近々丸杉で公開できると思うので興味がある方は足を運んでみてください。 ...
ついこの前新潟県の雪の話をしていましたが、一転ミャンマーにきています…。アジアのラストフロンティアと言われるミャンマー。まだまだ未知の可能性を秘めた神秘の国です。一体どんな体験が待っているやらドキドキしながらの入国です。タイのチェンライからバスで1時間メーサイという町に到着。重い荷物と戦いながら、とりあえずメーサイの市場探索。一通り見終えたところでいざミャンマーへ。画面の右側がタイ、左がミャンマー。今まさにタイとミャンマーの間にいるのです。入国審査でどこに行くか聞かれた私は迷うことなくチェントンを申告。チェントン??どこそこ??と思われるかもしれませんが、ミャンマーの中でも秘境の地、山奥の町であり、周囲に数多くの山岳民族がくらす町なのです。そこの市場にはアカ族、ヤン族、ぱろんぞく等多くの少数民族が集まるのだとか…。なんともそそられるじゃないですか!これは行くっきゃないでしょ!!という訳で勢いこんで入国してしまった訳です。そこから延々と山路を走らせる事4時間半、勢いこんだ勢いも無くなりかけたそのとき目に入った茶畑。いかにも農薬使ってなさそうでとっても美味しそうじゃないですか!そして案内人(visa無しで入国した私は付けないといけないらしい)に尋ねるともっと美味しいお茶があるんだそう。明日の市場でみせてあげるよ、と得意気な顔。これはまた一つ楽しみが増えたと勢いが再燃したところで到着しましたチェントン!!!勢いついたし行くぞ市場!!!……するとエドウィン(案内人ね)からでた言葉は「もう市場やってないよ。明日朝6時からね」という衝撃の一言。でもめげません!ということでミャンマーの旅後編に続きます。 ...
今年の夏も暑くなるでしょうか。ここんところの夏は異常に暑いですから、きっと今年も暑いのでしょう。今いい季節ですが、間もなく夏ややってきます。 夏といえば夏祭り!そして盆踊り。 下駄をからんころんと鳴らしながら歩いて行く姿はやっぱり素敵ですね。 花火、縁側、蚊取り線香、うちわとくればビールと枝豆。。。そして着物。 そんな夏祭りのシーンには浴衣もいいけどやっぱりひと味かえて夏着物の方が絶対に素敵。だから着物を着たいんだけど、ここんところ夏が暑い。でも夏に着物で過ごしたい。 こんな暑くても着物で快適に過ごしたい!ってことで、相変わらずわがままな私は行って参りました新潟県小千谷市。車で7時間。それでも素敵な小千谷縮に出会えるなら苦はありません。(知ってましたか?安城からだと、新東名から行っても、中央道から行っても似たような距離なんです。行き帰りを変えれば道中も楽しめます) 道中車が壊れるってトラブルもなんなく(?)こなしてやって参りました縮の産地、小千谷市。雪が降れば2階から出るって話しは聞いてましたが・・・ まさかこの木が貼ってあるところ全て雪で埋まるとは。。。 いつもはここから色々な所をあちこち巡ってこれという一品を探し出すのですが、今回は違います。本当に素敵な小千谷縮を真面目に作っている職人に会いにやってきたのです。ここの縮は私もよく着るのですが、何せ風が良く通る。肌にべたつかず、夏なのに快適に過ごせるのです。 それで夏は小千谷がいいなーって思っていたのですが、よくよく色々学び体験してみて分かった事があって、それは小千谷の中でもここ「吉新」さんの小千谷が最高の着心地を提供してくれてるってことでした。 じゃぁ何が違うのだろう?と気になったら行くしかないでしょ。というわけで遠路はるばる小千谷までたどり着いたのです。 そして到着。挨拶も早々に工房を見せて頂くことになりました。 まず見せたいただいたのがこの糸。とっても奇麗。 この所特に実感するのがやっぱり糸がとっても大切なのだということ。よく考えたら、それはそうですよね。料理を作るときでも、材料が腐っていれば煮ても焼いても食えませんし、逆に新鮮であればどのようにも調理できます。なるほどと関心していると、 「この糸の毛羽を同じ方向に揃えるんです」と一言。 『ん!?糸の毛羽の方向???』 まったく想定していなかった一言に首を傾げると、毛が立っている方向を揃えないと後々毛が立ちやすくなるんだとか。そのために一度まき直すのだそう。ん~奥が深い・・・ やっぱり料理と同じで、下ごしらえが大事なんだ。 そして出された蒟蒻糊(こんにゃくのり)。生産地は下仁田。下仁田蒟蒻といえば純度が高くて有名な高級ブランドじゃないですか!これを糊にしたものを使っていたなんて! 上の粉を水から丁寧に混ぜ合わせると糊が完成します 一本づつ糸に蒟蒻糊をつけていって、一日寝かせて、また巻き上げて、もう一回同じ用に蒟蒻糊を着けて行きます。(出来上がりの風合いによっては一回つけるだけなど調整するそうです)今や蒟蒻糊をこのように着けている工場はほとんど無いのだとか。 替わりに樹脂でコーティングしている小千谷縮が多いそうで、こんにゃくが検出されない小千谷縮があったそうで、、、ってそれじゃポリエステルじゃないですか!(いやポリが悪いって訳じゃないですけど、それを小千谷縮ってのはねぇ)蒸れないのかな? 蒟蒻糊を使った糸を作ってくれる工場が無くなったときに、吉新さんが取った行動は、なんと自社で糊を着けるってことでした。小千谷縮の風合いを体感している吉新さんだからこそ、糸を作る工場が無くなったときに自社で作る決心ができたのだと思います・・・きっととっても大変な決断があったのだと思います。が、よく自社で糸を仕上げる決意をしてくれました。おかげさまで私は夏に着物を涼しく着ることができるのですから。 最後にもう一つ。驚きなのはここの工場には溶接機や旋盤などの機械があるってこと。 何に使うか尋ねたところ、「この辺の機械作るんです」って・・・え!? 糸も作るし機械も作る。きっと微妙な調整は自身じゃないとできないのでしょう。これほど小千谷縮を愛してる人が作る小千谷縮。作っても作ってもというくらいフル稼働でも在庫が無くなるそうで、「吉新さんのじゃないと」と指名する人も多いそう。知る人ぞ知るって小千谷縮ですが、きっともうすぐ価格が上がるでしょう。だってこんなに真面目にやってたんじゃフル稼働してても採算合わないのは素人目にも分かります。 出会ったら今が買いです。丸杉も数点ある無理言って入れさせてもらいました。 是非一度体験してみて下さい。 ...
ゴールデンウィークのまっただ中、いかがおすごしでしょう? テレビを付ければ富岡製糸工場が世界遺産に選ばれるかもしれないと多く報道されていますね。 私はそんな渦中のまっただ中の群馬県に来ております。何もこんな渦中のまっただ中、しかもゴールデンウィークに突撃しなくても。。。と思うでしょうが、私もそう思います。しかしまぁ色々とあって行く事となりました。 バタバタっと行く事が決まってなんとか群馬にたどり着いた、そんな朝は雨。しかしこの雨が想いも寄らないプレゼントをくれました。東山魁夷の世界がそこには広がっていたのです。なんとまぁ感動をくれる場所なのでしょう!昨日からの移動の疲れも無くなり、颯爽と桐生の町へ降り立ったのです。 まさかの短期間に2度の桐生。それほど桐生が好きになったのです。そしてやはりここ。うどん!今度はあったかいうどん。やはり旨い。 ・・・いえいえ決してうどんが目当てじゃありません。前回同様桐生を知り尽くした大ベテランに案内してもらったのが、桐生でも紳士に織物を続けられている織物屋さん。織る事も染めることも絞ることも全部自社でやれるってすごい織物屋ですが、ここの何がすごいって、糸の知識と持ってる糸の種類の数が半端無いんです!さすが富岡製糸工場を始め、日本の糸を作る最大の産地。(と勝手に解釈) もーこれは私には分からない世界。縦・横にそれぞれ色々な糸を合わせる技は本当にすごいの一言。長年の感がもたらす独特の風合い。うん。参りました。 そんな知識と経験と日本の糸で導きだされたのがこの着物。一目で気に入りましたが、さわってびっくり。もってびっくり。 光沢感とシャリ感があるおしゃれな生地なのにとっても軽くて柔らかいんです。 色合いも奇麗でおしゃれ衣装にもフォーマルシーンにもお茶着としても着ていける。この前のインド更紗の帯と合わせてもいいし、袋帯、名古屋帯・・・色々な帯とも相性ピッタリで使いやすいなぁと思いながら、まぁでもここまでの生地だったら私なんかじゃ手に負えない価格なのでしょう。とあきらめながら聞いたらこれもまたビックリ。この生地にしてこの値段?本当にいいの??(決して安い物ではありませんが、この素材にしては非常にお得って事は確かです。ちょっと着物になれてきて、いい着物が欲しいなぁ、でも高いしなぁと思っている方には丁度いいかもしれません) ということで、もーーー絶対一度は触って持ってみて欲しい一枚に出会いました。 日本の産地もまだまだ本当に紳士にモノづくりをしていて本当に関心させられた一日でした。 この着物の詳細は近日アップ予定です。 ...