夏だ!小千谷だ!小千谷縮だ

16:28:00

今年の夏も暑くなるでしょうか。ここんところの夏は異常に暑いですから、きっと今年も暑いのでしょう。今いい季節ですが、間もなく夏ややってきます。
夏といえば夏祭り!そして盆踊り。
下駄をからんころんと鳴らしながら歩いて行く姿はやっぱり素敵ですね。
花火、縁側、蚊取り線香、うちわとくればビールと枝豆。。。そして着物。

そんな夏祭りのシーンには浴衣もいいけどやっぱりひと味かえて夏着物の方が絶対に素敵。だから着物を着たいんだけど、ここんところ夏が暑い。でも夏に着物で過ごしたい。
こんな暑くても着物で快適に過ごしたい!ってことで、相変わらずわがままな私は行って参りました新潟県小千谷市。車で7時間。それでも素敵な小千谷縮に出会えるなら苦はありません。(知ってましたか?安城からだと、新東名から行っても、中央道から行っても似たような距離なんです。行き帰りを変えれば道中も楽しめます)
道中車が壊れるってトラブルもなんなく(?)こなしてやって参りました縮の産地、小千谷市。雪が降れば2階から出るって話しは聞いてましたが・・・
まさかこの木が貼ってあるところ全て雪で埋まるとは。。。


いつもはここから色々な所をあちこち巡ってこれという一品を探し出すのですが、今回は違います。本当に素敵な小千谷縮を真面目に作っている職人に会いにやってきたのです。ここの縮は私もよく着るのですが、何せ風が良く通る。肌にべたつかず、夏なのに快適に過ごせるのです。
それで夏は小千谷がいいなーって思っていたのですが、よくよく色々学び体験してみて分かった事があって、それは小千谷の中でもここ「吉新」さんの小千谷が最高の着心地を提供してくれてるってことでした。


じゃぁ何が違うのだろう?と気になったら行くしかないでしょ。というわけで遠路はるばる小千谷までたどり着いたのです。

そして到着。挨拶も早々に工房を見せて頂くことになりました。

まず見せたいただいたのがこの糸。とっても奇麗。

この所特に実感するのがやっぱり糸がとっても大切なのだということ。よく考えたら、それはそうですよね。料理を作るときでも、材料が腐っていれば煮ても焼いても食えませんし、逆に新鮮であればどのようにも調理できます。なるほどと関心していると、
「この糸の毛羽を同じ方向に揃えるんです」と一言。
『ん!?糸の毛羽の方向???』
まったく想定していなかった一言に首を傾げると、毛が立っている方向を揃えないと後々毛が立ちやすくなるんだとか。そのために一度まき直すのだそう。ん~奥が深い・・・
やっぱり料理と同じで、下ごしらえが大事なんだ。
そして出された蒟蒻糊(こんにゃくのり)。生産地は下仁田。下仁田蒟蒻といえば純度が高くて有名な高級ブランドじゃないですか!これを糊にしたものを使っていたなんて!
上の粉を水から丁寧に混ぜ合わせると糊が完成します


一本づつ糸に蒟蒻糊をつけていって、一日寝かせて、また巻き上げて、もう一回同じ用に蒟蒻糊を着けて行きます。(出来上がりの風合いによっては一回つけるだけなど調整するそうです)今や蒟蒻糊をこのように着けている工場はほとんど無いのだとか。
替わりに樹脂でコーティングしている小千谷縮が多いそうで、こんにゃくが検出されない小千谷縮があったそうで、、、ってそれじゃポリエステルじゃないですか!(いやポリが悪いって訳じゃないですけど、それを小千谷縮ってのはねぇ)蒸れないのかな?

蒟蒻糊を使った糸を作ってくれる工場が無くなったときに、吉新さんが取った行動は、なんと自社で糊を着けるってことでした。小千谷縮の風合いを体感している吉新さんだからこそ、糸を作る工場が無くなったときに自社で作る決心ができたのだと思います・・・きっととっても大変な決断があったのだと思います。が、よく自社で糸を仕上げる決意をしてくれました。おかげさまで私は夏に着物を涼しく着ることができるのですから。

最後にもう一つ。驚きなのはここの工場には溶接機や旋盤などの機械があるってこと。
何に使うか尋ねたところ、「この辺の機械作るんです」って・・・え!?
糸も作るし機械も作る。きっと微妙な調整は自身じゃないとできないのでしょう。これほど小千谷縮を愛してる人が作る小千谷縮。作っても作ってもというくらいフル稼働でも在庫が無くなるそうで、「吉新さんのじゃないと」と指名する人も多いそう。知る人ぞ知るって小千谷縮ですが、きっともうすぐ価格が上がるでしょう。だってこんなに真面目にやってたんじゃフル稼働してても採算合わないのは素人目にも分かります。

出会ったら今が買いです。丸杉も数点ある無理言って入れさせてもらいました。

是非一度体験してみて下さい。

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