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生地(アジア)/タイシルク

タイのシルクで着物を作りたい その2

こんな風にめちゃくちゃいい風にタイシルクの着物が出来てきました。 しかし、ここで満足せずにもう一歩。 もう少し柔らかな光沢感と、横張りを少なくしたい。 いや、今のままでも十分なんですが、せっかくなので。 そんなわけで、何と無くタイシルクの特徴と、改善すべき点がわかってきたこともあり、もう一度タイへ。 そしてタイへ着くや否や前回と同じテキスタイルデザイナーの元へ直行。彼女はタイシルクを知り尽くし、王室へも生地をおさめるテキスタイルデザイナー。通称TU-SAN。本名は全然違いますが、なぜか通称TU-SAN。 ・・・ということはさておき、今回はしっかりと要望を伝えます。 今のように風を通すのが大前提。 その一方で、タイシルク特有のペラっとした(というと語弊があるかもしれませんが)光沢感をなくしたい。もう少し柔らかな光で上品に。 さらに横張りが強いので、テンション低めで・・・。 本当は小幅がいいんだけど・・・。 無地にぼかしはできますか? ・・・・などなど。最終的にはなぜか小幅の白生地をなんて言い出す始末。 調子に乗りすぎな感もありますが、言いたいことは言わないと。 まぁ実はなぜそれが可能かというと、彼女とは長い付き合い。 まだ王室やヨーロッパのデザイナーが生地を依頼するずっと前からのおつきあい。 だから、こんなコートなんかも作ったりしました。 これはイサーン地方の絣織り。上品な光沢と色合い、独特な柄がめちゃくちゃ気に入っています。タイの東北部の山奥にある工房だそうです。 しかし今回は無地が欲しい。 無地は一つ間違えれば難となってしまうため非常に難しい。 完全に風合いが勝負です。 そこで言いたいことを言ったわけです。 で、さすがに小幅はないし織るなら相当量(何百メートル)は必要だし、それでも出来るかは不明とのこと。 まぁそりゃそうか。 そしてあれやこれや長時間にわたり会議。 そしてとうとう行きあいました!素晴らしい生地。 手紡ぎ・手織りなのに、節が少なくとっても柔らかい。 上品な光沢と触り心地。結城紬を思い出すような、こんなシルクがタイにもあったんだ!と感心。 早速これは着物にしてみよう🎶と生地を仕立て屋へ。 あ!写真撮ってない(笑)ということで、次回こそ完成品を紹介したいと思います。 ...

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生地(アジア)/タイシルク

タイのシルクで着物を作りたい その1

夏も終わり、涼しさが少しづつ出てきていますが、そんな暑い夏や残暑にキモノがアツイなぁっと思ったことありませんか? 私はしょっちゅう。 じゃぁ熱帯の生地でキモノをつくったらどうなるだろう? それが始まり。 そこからじゃじゃ馬タイシルクとの格闘が・・・。 まぁそんな、最近ってわけじゃないですけど、前から取り組んでたタイシルクの着物を作るまでの記録をちょっとづつご紹介。 タイと言えばタイシルクと言われるくらい、タイシルクって有名ですよね。 こんな感じの強い光沢が特徴的。色もしっかりしてるイメージ。 何が違うって、まずは糸自体が違う。おカイコさんがイエローコクーンと言われる黄色い繭。 これ、染めていない状態でこの色なんです。写真写りもありますが、かなり黄色い。 そしてその糸を撚(よ)るのですが、感覚からすると撚りは日本よりかなり甘いでしょうか?手仕事ということもあるんでしょうが、それがいい風に作用し風通し抜群。南国を生き抜くためにはやはり必要なのでしょう。糸それぞれが空気を含むようなイメージをもっています。(あくまで個人の見解です 笑) そして、やはりタイシルクの特徴はその光沢感と張り。 非常に強い光沢と、横に 張るのが特徴です。打ち込みがかなり強い模様。 これは、タイシルクの主な使用方法がサローンだからだと勝手に思っています。 こんな感じですね。 まぁそんな風に横に張ってて、光沢があって、やっぱり着物にはなかなか向いてないなぁ・・・。 あついから、タイシルクの涼しさはきっといいはずなのに。 しかし、そのおもいだけではあのじゃじゃ馬を乗ろうとはなりませんでした。 そんなおり出会ったあるタイシルク。 それを作るある作家との出いが始まりでした。 細番手の糸を使った上品なタイシルク。 今までのようなタイシルクの粗さがなく、本当に上品な光を放ちます。 「これはいい!」 これならきっと! ということで帰国。 ・・・で、早速キモノにしたのですが、やはりまだ少し横の張りが強いようで。 これはこれでいいのですが、まだまだ彼女の生地のポテンシャルはありそうです。 そしてまたタイへ赴くのですが、その話はまた次回。 ...

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生地(アジア)/タイシルク

タイシルクの帯が完成!

調子に乗って、こんな写真をとりながら、「うん。綺麗」などと言っていたタイからもどり数週間。  前回行ったタイで素敵なおばちゃんからいただいたタイシルクで帯が完成しました。 これがその帯。 まぁ結構行きつけだったりするのですが、前々回行ったときは、結構元気がなくて、もぅ十分やったし、体の調子も悪いし・・・みたいなことを言ってたおばちゃん。 今回はどうなってるかなぁと思いつつ、一応覗いてみたら、おばちゃんめちゃくちゃ元気! やぁ久しぶり〜なんて言っても、誰だったかな?みたいな感じでしたが、それでも優しく対応してくれるおばちゃんに元気をもらいセレクトしたタイシルク。いつもは手書きとかそんなんが好きでしたが、最近はプリントもいいじゃん!的な感覚。 柄が面白いので即決です。プリントと言っても柄がやっぱりタイっぽい。写真じゃちょっとわかりませんが、柄の境界線には金色があしらわれています。 そして今回はもう一つ。 プリントもいいじゃん!な私ですが、ここはやっぱり手書きも欲しい。・・・しかしめっきり手書きバティックをできる職人が減っているのだそう。 シルクはまだ数カ所あるのですが、麻 布にバティックをできる人はもうほとんどいないのだそう。残念なことです。 工業化が進むタイにおいて、筆の滑らない、染料のたくさんいる、値段のとれない非効率的な手法はどんどん減っていくのでしょう。 とすると、まだ比較的に残っているタイシルクのバティックもかなり希少なものになっていくかもしれません・・・。 ということで、あるうちにタイシルクの手書きバティックを入手。 帯へ一直線・・・で完成したのがこちら。 もし、よしんば、気になった方は是非丸杉にお問い合わせください。 http://marusugi-tao.com/ 今回は宣伝でした。 そうそう、町と組んでプチタイフェアもやります。 またまた告知しつれいしました。 ではまた。 ...

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着物

着物に合うカバン

ところ変わって日本でおしゃれなカバンに出会いました。 これはそう、地元愛知の名産の一つ。絞りのカバン。 しかし、何かが違う。 ともったいつけるまでもなく、素材が違う。 そう革なんです。 あの大変な絞りを革にしているんです。 地元といえども初めて見ました。 しかもこれ、作っている人は元々革職人らしく。だから縫製や作りもしっかりしていて、革もめちゃくちゃ上質。 ・・・というよりそうしないと”くくる”のが難しいのだそう。 力一杯やって、やっとできる革の絞り。 日本でも作っているのは彼だけじゃないでしょうか。 そしてこれを一緒に見たヨーロッパで活躍する美容アーティストが一言。 「これ絶対ヨーロッパでうけるね。かっこいい」 目の肥えた彼がそういうほど、新しくおしゃれなカバン。 着物に合わせても洋服に合わせてもいいカバン。 着物に合わせるカバンに困っているし、是非欲しいカバンの紹介でした。 柔らかくて上質な革の財布もほしいなぁ。 ...

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着物

イカット(絣)着物とバティックミュージアム

チレボンを後にして、ジャカルタに戻ってきました。実はたまたま、本当にたまたま、チレボンの作家さんにプカロンガンの作家さんを知らないか?と尋ねたら、ちょうど明日からジャカルタで大きなバティック市がやっていて、ジャワ島中から作家や職人さんがやってくるよ。とのこと。 プカロンガンにつてがあるわけではなく、行ってから考えよう(いつものパターン)としていたところの朗報。 急遽予定を変更して、ジャカルタに戻ることに。 目が回るほどのバティックやイカット。めちゃくちゃ高級なものから、廉価なものまで勢揃い。そこでは、バティックじゃなくイカット系のものを多く購入。 後日こんな着物に変身しました。 なんだか銘仙みたいで結構なお気に入り。 そして、せっかくジャカルタで時間があるのだからとバティックミュージアムに。 ここが意外とめちゃくちゃいい! バティックを知りたいなら是非一度足を運んで 欲しいところ http://museumtekstiljakarta.com/index.php バティックミュージアムといいましたが、正確にはtextile museumでした。バティックのイメージが強いですが、ジャワ島にはイカットなどの産地も豊富です。 この部屋はマドラ地域のもの。というように、各部屋ごとに地域のバティックを分けて展示しています。右端のものはマドラっぽいなぁと思えるのですが、他のものもマドラなのだそう。やはり色々混ざり合って自分の地域の特徴に落とし込んでいるのでしょう。まだまだ奥が深いです。 こんな風にインテリアとしても上手にディスプレイされています。 とにかく数がめちゃくちゃ多い。そして手の込んだ素晴らしい作品ばかり。 このように順を追ってできるまでを解説してくれているのも魅力的。 一番左がロウをおいたところ、そして染めて、ロウを溶かして、またロウをおいて、染めて、ロウを溶かす。この繰り返しで、色が重なるってわけです。気が遠くなる作業。 友禅や注染のように色をさすという作業はせずに、全部つけて染めるので本当に大変! 何度もロウを塗る作業を繰り返すので、その技術は日本のものより高いんじゃないか?と思ます。素晴らしい! ちなみにロウ置きには大きく分けて二種類。前回の写真にあったように手で一つづつさす方法(トゥリス)と、この写真のように銅板で方をつくり型押しでする方法(チャップ) 今はバティック風プリントのものもとても多く出回っています。作家さんはあれはバティックとよべないよねぇなんて話しも。 プリントかの判断は、だいたい見ればわかるのですが、念のため日本でもおなじみの裏の確認。色が裏まで通っていたらプリントじゃないです。 そんなこんなでとっても有意義なジャワ島訪問記でした。 ...

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着物

バティックの名古屋帯をオーダー

次はチレボン。 ジャワ島の中でも有数のバティック産地です。 そこで出会いました、めちゃくちゃ綺麗で大胆で新しいバティックを作る作家さんに。 早速オーダーしてきたのですが、これは彼女のオリジナルデザインで作られた帯。 今まで幾つか作った中でもかなりのお気に入り! それにしてもオーダーはやはり大変! こちらの英語もカタコトだけども、それ以前に英語が通じない(笑) それで身振り手振り それをこうして絵にしてもらって・・・・ 2日に渡りあーでもないこーでもない、あーしてこうして。 特に帯の場合だと柄付けの位置が重要になってくるわけで・・・ 気がつけば夕方。 休憩しましょうと 元気いっぱいになるジンジャーティ 美味しい。 そして打ち合わせ終了。さぁビール・・・がチレボンには無い!!行かれる方はお気をつけて。なお、今回のオーダーは約1年待ち。 どんな出来上がりか今から楽しみです。 ...

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生地(アジア)/インドネシアバティック

世界遺産インドネシアバティックを帯に2

先日の続き・・・ せっかくなので、こんな帯を作る漁師町のインドラマユってどんなところかを少し。 こんな帯ね。 イソギンチャクのような海洋生物ですかね。やっぱり海をモチーフにしています。 ちなみに右端のちょこちょこっと有る模様なのですが、一つインドネシアバティックの特徴でして、ほとんどが入っています。 この辺り、またいつか詳しく解説しようかと思っていますが、もしオーダーされるかたがいるなら覚えておいた方がいい用語。右端のラインがSuraboyaan ,もうすこし左の波打ってる箇所がKelilingっていいます。 だって、ここが有ると締まりができてなんか帯として全体の間が取れるというか。 だからなるべくいれようかなと思っているのです。 現地ではクリリン、クリリンと繰り返し言ってた記憶が・・・。 話がそれましたが、そんな海の町はどんなところかといいますと、 こんなところ。船を作っています。 そしてその船が市場で魚を降ろすところ。大きくカラフルな船団がちょうど市場にやってきて水揚げをしている最中でした。 漁師町で育った(というか漁師の息子として)私としては、血がたぎる思い。 それにしてもカラフル・・・ 橋の上からは簡単な仕掛けで魚を釣る(?)すくう(?)人も。 とにかく街全体が魚という印象。 思ったよりも大きな船でびっくりでした。  そして家先では漁師の帰りをまつ奥さんがせっせとバティックを作成しています。 本当に生活に根ざしたバティックに暖かさを覚えた時、ふと窓を見るとそこにはバティックのカーテンが。 そしてやはり魚がら。 うん。とってもいい! ということで、インドラマユの紹介でした。 それではまた。 ...

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生地(アジア)/インドネシアバティック

世界遺産インドネシアバティックを帯に

海のバティック。インドラマユの帯とうとうできてきました。 数ヶ月前訪れたインドネシア。 バリにはよく行っていたのですが、今回はジャワ島。 その中でも結構マイナーな土地、インドラマユ。 ジャカルタから電車で揺られること4時間。 長い道のりで到着したチレボンから車で1時間、ジャワ島でも最も大きな漁師町の一つ。 そんなところにあるインドラマユで海のバティックは作れらています。 漁師町。。。といっても近海のちょっとした小さな船がいっぱいあって・・・ て思っていたのですが、意外や意外! 遠洋漁業が盛んで、めちゃくちゃ大きな市場があって、すぐそこで大きな船をつくっていて(しかもカラフル) そんな遠くまで出かける船だから、ここは漁師の帰りをまつ女性がバティックを描くのだそう。だからどこか海のイメージがモチーフにされているのだとか。 手法は、ほかの地域に比べて荒い。でもなんだかそこが素朴でとってもいい感じ。 さくさくーっと書く手書き(トゥリス)のバティックは一見の価値ありといったところ。 これが本当に早いんです 下絵もほとんどなしに、なれた手つきのなれた感覚で書いていきます。 インドラマユのトゥリスの特徴は、比較的太いロウ置き。 写真はロウを置いているのですが、その先っぽのロウが出る穴が太いんです。 だからドバーっと出てくる。 その出方が早いからさっさと書かないとめちゃくちゃ太くなるんです。 一見するととっても簡単そうだけど、ある意味ゆっくりと描く細かい柄より技術がいるのかもしれないと感心していました。 ・・・とそんなインドラマユのバティックが完成です。 ...

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