今日はあいにくの雨模様。 朝から晴れていたのですが、夕方にかけて雨がポツリ。 梅雨を感じさせる"じとっ"とした天気になりました。 利休梅もなんだかヘナっと見えてしまいます。 そんな湿気の日本の中、今日はいつものタイパンツで過ごしました。 以前から何度も言っていますが、このタイパンツ(のシルク生地)。 とっても夏に心地がいいんです。 ジメジメしたこんな日だから改めてその良さを実感。 亜熱帯地方の生地というのも勿論ですが、それだけでは語れない(他の亜熱帯地方の生地ではここまで心地よくない)良さがあります。 その秘密は・・・ 手紡ぎ手織の良さ、撚らずに織る技術などありますが、 6月からのタイ産地巡りでもう少し解明したいと思います。 これはスカート。 6月末にはもっと色々と揃いますので、気になる方は是非直接触って試着してみてください。 では明日より日本の産地(信州と近江)に出かけてきます。 オリジナルの生地がどうできるのか? 今から楽しみです。 ...
以前インドネシアのイカットで着物を作りましたが、タイやラオス周辺の山岳民族の織物も、やはり着物によく合うようです。 例えばこんな帯はいかがでしょう? 左半分は、ラオス周辺の山岳民族の織物 おそらく、スカートの裾部分に使われるパーツだと思われます。 これはラオスのタイムイ族の衣装 腰・本体・裾の三つのパーツからスカートを作るそうです。 その裾の織物だと思われるパーツを今回は帯に転用しました。 アップすると、このような感じ。 浮き織りの技術にもう一工夫した縫い取り織を使ったものと思われます。 結構凝った織物。 今では見かけなくなったシルクの手織アンティークです。 そんな民族の織物には様々な「意味」があります。 例えばこの模様はおそらく「花」の模様。 豊穣や幸運を意味するそうです。 他にも、龍や船、猿にゲンゴロウなんていうのもあるそうです。 日本の帯も、色々な模様で季節を楽しんだりするのとよく似ていますね。 ちなみに右半分は生引きのタイシルクを使用しています。 今日はそんなアジアの香りがする帯を紹介しました。 それにしても、どうして東南アジアの民族衣装は和服にこんなにもマッチするのでしょう? 来月のタイの産地巡りへ向けてまた一つ考察してみたいと思います。 帯が夏向きでなかったので、最後に店内を飾る小さなアジサイを紹介 李朝の台にベトナムのアンティークの壺。 小さなアジサイですが、空間を華やかに彩ってくれています。 ではまたタイ巡り中は現地から情報を発信していきますので、お楽しみいただければ幸いです。 ...
さて、今日はお客様が綿のカットソーに対して興味深い意見を言っていただきましたのでちょっと感じたことを書きたいと思います。 とっても風合いのある手紡ぎ手織のシルクのスカートを購入されたお客様 「それに対して合わせるトップが無い・・・」 「合うと思っていたけど、綿のカットソーが合わない・・・」 ということもあり再来店。 すると当店に置いてある綿のカットソーを見て、これならピッタリと言っていかれました。 綿が合わないのではなく、合わない綿だった。ということです。 「同じ綿の同じような色であっても、素材感は実は異なる」 ということを改めて感じさせられた瞬間でした。 実はこのカットソー、超細番手の綿を使用しています。 だからほんの少しの光沢感があります。 そんな所が手紡ぎ手織の生地にマッチしたのでしょうか。 いずれにしても合う生地があってよかったです。 色も色々あります。 ちなみに着心地もいいとも評判。 風合いと着心地が一致するとってもお勧めのカットソーです。 着物・洋服に限らず、生地の風合いは基本の 基。 改めてベースとなる生地が最も大事なのだと感じさせられた1日でした。 ...
6月タイ・インドネシアへ出張の前に、また少し違った生地の打ち合わせに信州へ行ってきます。世界に向けて発信していきたい生地の、その前の大切なじっくりした打ち合わせです。 そんな訳で5月30、31日、6月1日までお店をおやすみさせていただきます。 ご迷惑をおかけしますが、何卒ご了承くださいませ。 三重織のシルクウール 目的1 フランス人オートクチュールデザイナーのご要望を叶える為に、少し凝った生地の打ち合わせ。 目的2 これは面白い!世界に通用する!と思った特殊な生地の打ち合わせ。 目的3 サムシングエルス。 まだ出会わぬ特別な何かを見つけに。 というわけで、今回丸杉は、生地"選び"ではなく生地"作り"を行うべく信州に向かいます。 呉服屋ってそこまでやるの?と思われるかもしれませんが、 きっと丸杉は特殊な例だと思います。 例えばこのストールは、糸をミャンマーで座繰りで挽いたものを特殊に織ったストール。数十もの組み合わせの中から決定。シアトルでは好評を得ることができました。 なぜなら簡単に生地"作り"と言ってはみたものの、それはそれは気の遠くなる作業だからです。 例えば糸といっても、種類、太さ、挽き方、捻 り方・・・・ 織るといっても、縦横の糸の本数、密度、織り方・・・ 大げさではなく無限の組み合わせの中から一つの解を見つける作業となります。 こんな大変な思いをするなら、生地を選んで売っていた方がよっぽど稼げます(笑) それでも生地作りをするのは ・とことんご要望に答えるため だけではなく ・新しく世界初の生地が生まれると嬉しいから という想いもあります。 "いいな"と思える生地が生まれると、それを触ると、少し心が豊かになる気がします。 少しでもそんな気持ちの共有ができればいいなぁと思いつつ そんな訳で今月末信州へ行ってきます。 ...
洗いはり 何十回も着用した吉新さんの小千谷縮のきものをついに洗いはりに出すことにし ます。 7年前のドイツでの展示会でも、アメリカのベルビュークラブでの商談でも大活 躍してくれた小千谷縮のきものです。 今までは、自分で押し洗いしたり染み抜きやさんに丸洗いをお願いしたりと、何 度もの夏を越してきた小千谷縮のきものです。 きものは形のまま洗う方法と、元の反物の状態に戻して洗う方法があります。 お手入れはしているんだけど、きものが少し疲れて見えたら洗いはりという方法 があります。 洗いはりの手順は、先ずきものの縫い目を解き、糸屑やごみを取り除いて、写真 のようにまた裁ち目を端縫します。元の反物(13m)の状態にしてか ら、しみ をとったり布にあわせた洗いをします。 (端縫をせずに、板ばりという方法もあります。かってはよく自宅で行っていた 方法です) 洗いはりから帰ってきた小千谷縮 裁断図 きもののパーツはこのようになっているので、端縫してつなぐと元の反物の状態 に戻ります。 これが洋服と大きく違うところです。なんかすごくないですか? 本当に素直でいい素材を使って素材を活かして織った反物は、洗いはりでもっと いい状態になります。 この吉新さんの小千谷縮は繊細さを増して、少し絹の光沢を放っているように見 えます。欲目でしょうか? 皆さんも是非体験してみてください。 ...
来月のタイ・インドネシア巡りに向けて、現在現地のデザイナーなどと日程を調整中。 そんな中、いよいよタイのイサーン地方行きが決定しました。 イサーン? と思われる方も多いと思いますが、タイの北東部を指す地域。 イサーン自体、タイ語で北東を意味するのだとか。 こんなコートを作ったマットミー(絣)の生地の産地。 (このコートは生地を選び作ったお客様の特注オーダーだったのですが、かなりいい出来になり喜んでいただけました。) そうそう以前紹介したこの着物の生地を作っているのもこの産地です。(以前のブログはこちら) そんなイサーンは北と南に大きく分かれていて、北はメコン川をはさみラオスとの国境でラオ 族が多く住む地域。南はかつて11世紀ごろクメール王朝が統治し、今でもクメール人が暮らしているそうです。 特に南部は綿花の栽培に適していなかったこともあり、絹織物が発展した地域。作業着ですら絹を使っていたとのことですから驚きです。 先日お客様が、オールドマットミーを見て、「この生地でシャツを作ったら、とても涼しくて風合いが良くてまた作りたい」といっていただきました。 こんな感じの生地でした。 残念ながらこれほどの生地は今、バンコクでは中々見かけることはなくなってきています。皆様ご承知のとおりタイも工業化が進んでおり、こういった伝統工芸は失われつつあるからです。 ですが、折角だからそれに近い風合いのマットミーを探したい! でも都市部にはない。産地であれば! と思い今回は思い切って遠くまで足を運ぶ決心をしました。 もちろんまだ見たこともない素敵な生地や文化に出会えることも期待しながら。 現地から送ってもらった写真。マットミーを作る工程 こんな風に織り上がります。 今回はイサーンのなかでも南部にあたるナコーンラチャシーマ県をまず訪れたく思っています。(そのあとは現地の流れで・・・) ウィキペディアより抜粋 かつてクメール王朝の中心部だった地域だそうです。 こちらもウィキペディアより やはり高度な技術は王族文化とも直結しているようで、王様に献上される為により技術を磨き織りの文化が発展していったのだと推測します。 だからこそどのような文化が融合され磨かれ今のテキスタイルに至るのか今から楽しみです。 いつもは直接現地にいってみることも多いのですが、今回はコーディネートを依頼。 コーディネートは王族にも生地を納めるテキスタイルデザイナーの通称Tu-san。タイの産地を知り尽くしたテキスタイルのスペシャリストに任せる上、長い付き合いの中で私達の求めるもの、好むものもわかっているので安心です。 さぁどんな生地に文化に人に巡り会えるのか、今から楽しみです。 もしこんな生地が欲しい!との要望があればお気軽にお問い合わせください。 ...
今日はまた一層暑さを増し、お昼はかなり気温が上がっていたようです そんな暑さの中、涼しげな素材を持ってきてくれました それがこの小千谷上布 一見して涼しげな表情。 (こちらはもう一度染めるそう) もう一枚違う柄。 先日当店からお嫁入りした真っ白な小千谷上布が、ものの見事に藍染されました。実はこの藍染めは、賞などもとったことのあるかなり技術とセンスがある方が、ご自身のシャツのために染められた一枚。 全体はこんな感じ せっかくなので染めの手法をいろいろと教えていただきました。 この染めの手法は、筒染めという手法だそうです。 絞りの一種なのですが、いわゆる括り糸などは使わず筒に縛り上げる手法。 かなり力のいる仕事で男性が力一杯縛って丁度いいくらいなのだそう。 是非次回は現場を見せていただきたいですね。 これでシャツを作るというのですから何とも贅沢な話です こんな素敵で涼しいシャツはどこのブランドを見てもないでしょう 最高のオシャレですね♪ それにしても糸がいい生地は染まりもいいようで 藍の発色がとても明るく上品に写っていました。 改めて糸と染めの関係を感じた1日でした。 藍はジャパンブルーというように、日本人にはとっても馴染みがある色。 そして愛着があり、なぜか落ち着きます。 文献には室町時代に伝わったとあるのですが、インドや東南アジアの秘境でも藍で染めているところを見ると、古代より染めの手法として古く、深く日本の生活にあったのではないでしょうか? そんなことを想像させてくれる程、安らぎを与えてくれる色だと思います。 またシャツが出来た時に是非こちらで紹介したいと思います。 ...
今日はお店の棚卸。 今まで仕入れた生地や作った帯・着物を眺めながら、時々東南アジアの風景を思い出す。 棚卸なのだから想いを馳せずにさっさとすればいいのですが、中々思い入れあるものもあったり、来月の考え(来月にまたインドネシアとタイにいくので)をまとめたりしながら、頭の中が寄り道するので棚卸自体は中々はかどりません。 例えばこの帯 個人的にはかなり気に入っている帯。タイのチェンライでChabaaさんが作ってくれた帯。暑い中店内で生地をあちこちしながら打ち合わせしたのを思い出します。斬新な色使いがとても綺麗で、普段使いのおしゃれな帯として他では見たことない帯だと思うのですが。今回はChabaaさんところには行けなさそうで残念です。 ところ変わってインドネシア。 こんな派手な船を作る漁師町にも足を運びました。 漁師の奥さんが帰りを待つ間に作られるバティック。 まさに海の町という感じ 大胆でおおらかな柄はまた新しいバティックに合わせてくれました。 色使いも大胆で柄はやはり海のヒトデや海藻、魚などがモチーフ。 家の土間(?)でお母さんがサササっと書き上げていたのが印象的でした。 日本ではあまり馴染みないインドラマユのバティック。 他にも ベトナム刺繍をお願いしにいってスコールに打たれたり ミャンマーの奥地で山の民のお茶を味わったり 伝統的な柄に元気つけられたり パロン族の村で天女の生地に出会ったり いく先々で様々な文化とそこで生み出される生地や素材、そして人にいつも関心させられてきました。 そしてなんといっても、愛すべきテキスタイルデザイナーRungcheewan(通称Tu-san)と、 バティック職人Aririとの出会いは言うまでもありません。 今までもなんども紹介してきましたが、丸杉が最も信頼する人たち。 といってもAririとは出会って2年ほど。 偶然の巡り合わせで素敵な出会いをいただくことができました。 もちろん今回もこの二人の元は訪れます。 オーダーしていたバティックがどのように仕上がっているのか楽しみと不安でドキドキします。 他にもまだまだ紹介しきれない程多くの人や生地と出会い、いろいろなことを感じさせてもらってきました。 そんな出会いに感謝しながら、また新しい出会いを求めて6月にはタイとインドネシアに行ってきます。 今回タイはイサーンなどの山の奥地、インドネシアはソロ・ジョグジャあたりにも行ってみたく思っています。 さぁどんな出会いがあるか今から楽しみです。 このブログを読んでくれた方、もしお勧めあれば是非教えてください。 ブログは極力毎日更新していくので、タイとインドネシアの様子はこちらでお楽しみください。 ...
今日はふっと一息つき、お庭を散策しました 初夏の準備をし始めた庭でシモツケの花が遠慮がちに咲いていました。 早速少し持ち帰り、生けさせていただきました 支えあうような寄り添うような、ツガイのシモツケが店内を優しく彩っています そして初夏といえば紫陽花。 今まさに花開こうとする力を感じさせてくれます もう一つは今日初めて名前を教わったトリアシショウマ。なぜトリアシというの?との質問もいただいたのでこれは次回の宿題とします。 写真は先日のブログで紹介の紋紗と共にパシャリ。 この紋紗は写真載せてませんでしたが、市松模様。 オリンピックを迎えるにあたりピッタリの夏着物ですね。やはり藍色に染めるべきでしょうか? 皆さんなら何色に染めますか? ...
日本ならではの最高のおしゃれ、季節にあわせてきものをあわせ、ひとえ、うすものと変えていく。日本人は、なんて繊細な感性を持っているんでしょう。 でも初心者の方にとっては、季節にあわせて着用シーンにあわせて何をえらんだらよいのか夏の着物デビューも迷うことがいっぱいですよね。 特に夏は絹に加えて麻、綿 自然布 等いろいろな素材と絽や紗など織り方も様々です。 着物通の方にとっては一番楽しめる季節、でも初心者にとっては悩める季節でもありますね。 そこで丸杉のオススメは、紋紗の無地着物です。 ところで 紋紗ってご存知ですか?透ける紗の生地の中に地紋(柄)があるんです。地紋も様々 鳳凰唐花(写真)石畳、蝶々、水玉、ラメ入り等それ ぞれ涼感をだしつつ柄も生かしつつと、日本の技に脱帽の逸品です。着物の色もお好きな色に染めることができます。なんと夏に私だけのお誂え着物。 ワクワクしますよね。 着用時期も6月から9月まで大活躍します。着用シーンもフォーマルなシーンからパーテイ、お食事会、お茶会など様々です。帯を変えて楽しみたいで すね。 ちなみにこの紋紗の反物は、着物、コート、羽織、薄手のものは長襦袢にと春から夏にかけて、季節を彩っています。 紋紗の生地にご興味のある方は気軽にスタッフにお尋ねくださいね。 ...
先日タイの絣、マットミーの着物の話をしましたので、今度はインドネシアの絣イカットの生地で作った着物を公開します。 これは以前作ったイカットの着物。 インドネシアのイカットというとこのようなスンバの生地を思い浮かべる人も多いかと思います。 腰巻に利用されている伝統的なイカットで非常に厚手のしっかりした生地です 時々インテリアでも見かけますね 帯にしたものも時々みかけます 先程の生地で作るとこんな感じでしょうか ですがもちろんこれほどしっかりした生地では着物はつくれません しかし中には薄手の生地もあるようです こちらはジャワ島で出会った絣生地 早速仕立ててみると・・・ 銘仙に似た着物が出来てきました 昭和の香りがするような それでいて新しい そんな面白い着物 このような色も アップ 細番手の上質なコットンのみを使っているので絹のような光沢感も生まれます 黒の生地は時々大島ですか? と聞かれるほど 今年の夏着物にオススメの新しい一枚 ...