長期出張中(タイとインドネシア)に開催されたこともあり、報告が遅くなりました。 先日、京都の職人「一脇」さんをお招きし、草履会を開催しました。 以前よりお客様から 「次はいつやるの?」 と声をたくさん頂いているほど人気の一脇さん。 デザインに履き心地にとってもいい草履をすげてくれます。 そんな草履会の様子。 カラフルな鼻緒と台が並んでいます。 丸杉好み。 こんなのやこんなの その場で足に合わせてすげてくれます。 もちろんフォーマルなものも。 同じように見えてフォーマルなものでも一脇さんのはスタイルが綺麗で人気です。 (写真は撮り忘れ) お客様が店員を・・・ おすすめ中。 一脇さんとのランチも皆様とっても楽しんでいただけました。 またこうやって楽しんでいただける会を開催してきますので皆様お気軽におこしください。 次回は11月19日 「伊藤若冲と山本祐司を見に行こう」の会 着物で出かける1日です。 また今月も27日(日)に半日カフェを開催します。 あのインドネシアの生豆をら・そらさんが焙煎してくれます。 どうぞお楽しみに! 気になった方はお気軽にお声掛けを。 ...
現在日本橋で着物サローネが行われています。 前回に続き10月はファッションショーや体験コーナーが色々とあるようで 地下鉄構内には着物が100体並んでいます! 残念ながら見に行けませんが、お近くの方は是非みにいってください。 丸杉は帯も着物もバティックというコーディネートでふだん使いの着物に挑戦。 着物は王族の柄を大胆に使った着物 プリミシマ綿なので本当に着心地いいです! (少し寒くなってきたので来年の春夏ですかね?) 本日はきものサローネの宣伝まで。 ...
今は日本からブログを更新していますが、タイに行った時は丁度国王が亡くなられた直後でした。 本当に愛された国王だったらしく、案内人も父のような祖父のような存在と話していました。 その後の政府の対応については皆様色々思う事もあるようですが、本ブログの趣旨には関係ないので、割愛。 ともかく素晴らしい国王が亡くなられた事に、ご冥福お祈り申し上げます。 さて、やはりタイでは黒い服を至るところで売っていました。 売り切れる店もあるようで、また通常の値段より高く設定してる店もあるようで、タイ全体がなんだかざわっとした感じでした。 そんな中で、イサーンのシルク研究所(みたいなところ)へ行った私たち。 国王・女王ともに地方での産業を推進していたこともあり、とっても綺麗で広大な研究施設がありました。 そこでは、お蚕さんの生産研究から糸の染めに関して研究をしているんだそうです。 草木染めもすごく研究されびっくり このような広大な土地に草木染めの原料と言える木を育てて それぞれの木の種類ごとに名前と色などを表記して管理しています。 タイ語なので何が書いてあるのか分かりません・・・残念 少しの量なら通訳さんに聞いて覚えていくのですが、 何せ数が多くて・・・・ 一つづつやっていたら日が暮れてしまいそう ともぎってくれた実。 ちょっと前日のエアコンが効きすぎて鼻をぐすぐすしていたら 「ビタミン豊富だから」 と しかしこれがまた酸っぱいといっていいやら 口が思わず小さくなるようなそんな味。 染める材料は、時に食料となり、薬となる。 本当に生活に根ざしているんだと感心しました。 で、染めの研究をしているところへ。 藍(発酵10日目)を見せてくれる職員さん。 なんども混ぜて空気を食べさせるとのこと。 ホワイトボードには全く読めないタイ語がところせましと。 そんな中、黒く染めていると職員さん。 今タイは黒いシャツが不足している。 特にお金のない人が急に黒い服を手にいれるのは困難なこと。 なので、国が出張したり染めを教えたりして今ある服を黒くすることを推進しているんだとか。 個人的にはそこまでして黒い服を着なくても・・ と思うのですが、国王を思う気持ちとそうでなければならない風潮の中皆さんやっぱり黒い服を求めるんだそうです。 で、白いシャツを黒く染めたらどうだ? と所長さん。 半ば強引に、まぁ郷に入れば郷に従えじゃないですが、 ものは試しに。 染めて見てください。 渡して数時間。 きっちり出来上がっていました。 縫製糸はポリなので染まらず。 なぜかボタンが茶色くそまりました。 そんなタイでの染め体験。 貴重な体験をさせていただきました。 今からタイに行かれる方は、黒い服を中心に持って行かれることをオススメします。 ...
帰国後早々無理をいってかなりハイピッチで作ってもらいました。 パクトンシルクの京袋帯 かなりいい感じです。 裏も無地のものと、チェックのものを両方用意。 裏も手引き手織りのシルクです。 両面使えるお得な帯。 で、このパクトンシルクはというと、 縦糸に白い繭。 横糸は先日からブログで公開している イエローコクーンのマイノイ。 (マイノイとは繭の中でももっとも綺麗とされる中心部の糸) 80〜120本を1本の糸にするというあれです。 生引きしたイエローコクーンを双糸で横糸につかています。 勿論手織り。 これらの帯は直営店である丸杉でも見れますが、 10月29日〜11月12日は大阪の六花さんで。 11月4日〜6日はこころやさん主催のイベントキモノーション にてご覧いただけます。 今日は帯の宣伝でした。 気になった方は安城か大阪でお待ちしています。 それ以外の地域にお住まいで見て見たいって方はお気軽にご連絡ください。 ...
さて、無事に日本に帰って早速直営店の愛知県では展示会中です。 Bayuさんの素敵な帯や パクトンチャイのシルク着物(こちらは27日までの展示。29日から大阪での展示会に出展します) Aririの新作も登場です。 そんな展示会の初日ですが、 今日は最後に行った町。イサーンのことを少し描いて見たいと思います。 タイ東北部。イサーン地方。 北はラオス、東はカンボジア そんな山の麓に広がる地方をイサーンと呼びます。 タイで最も大きな地方のようで、移動にはとっても時間がかかります。 しかし、タイのインフラは結構進んでいて、全てがバイパスで繋がっているので地域間は約90kmで飛ばせます。思っていたより、スムーズな移動ですが、バンコクからは7〜8時間を覚悟しておいた方がいいです。ただ、飛行機もあるらしく、バンコクの国内線の空港からLCCがでているようです。空港からどうやってアクセスするかは問題ですが・・・ 各地域の入り口には大きな門が。 バイパスからずれると一気に田舎道になります・・・ そんなイサーン地方の人は概ね優しい。 案内人のゴローさんは南出身ですが、イサーンの女性がいいそうです。 「南や西の女性はきついけどイサーンの女性は優しいんだ」 と語っていました(あくまで個人の見解です) 確かにその通り。 とっても優しいイメージが強かったです。 そんなイサーン地方は このように東にカンボジア 北にラオス なので、ローイエットやプリラムの人はカンボジアから来たクメール民族の血が、 北のサコンナコーンやウードンターニーはラオス民族の血が、 コンケーンなどはイサーン民族が とそれぞれ地域によって言葉も違うのだそう。 ローイエットの地元の人は、クメール語を使うらしく(もちろんタイ語も話せます) 地元民同士の会話は、案内人のゴローさんも全くわからないんだとか。 こんな感じで庭には農業と兼業の織り機が。 20年前までは自分の着るものは自分で作っていたんだそうです。 因みにコンケーンはシルクの大産地として有名ですが、街も結構大きくて中心部には高層ビルも立っています。 ・・・とはいってもちょっと車で走らせると田舎街なのですが。 余談ですが 有名な食べものは鳥のまる焼き。 路面店で炭火で焼いていて結構美味しいです。 今日は少しイサーンについて体験したお話でした。 ...
なんと綺麗な糸でしょう! 今まで見たこともないイエローコクーンの綺麗な糸に巡りあいました。 食の良し悪しは材料で決まる それは衣の分野も全く同じだと思う。 安全性を求め食は生産者の顔が見えるようになってきた。 しかし衣の分野では糸を作っている人の顔を見たことがない。 実は「絹」に関しては99パーセントが輸入に頼っているのが現状。輸入先は主に中国とブラジル。 消費が加速する中で機械製糸のものが増えるのは仕方のないことだけど、本当に着心地のいいものを着るとなると、やはりゆっくりと糸を引いたものの方がいいのだと思う。 まぁその辺の詳細なデータは今回見送るとして、なんとなく感覚的にゆっくりと人を引いたもののほうが柔らかく、空気を含んで軽いことを想像してもらいたい。 そんな訳で「糸を作っている人の顔がみたい。」 「どうやってあの着心地いい糸ができるかを見たい。」 との思いを込めてやってきました。 バンコクから車で・・・何時間だろう?グルグルしたのでもはや分かりませんがまっすぐくれば7〜8時間でしょうか? 絹の核心部「糸」を作っている村。 タイで最も広いと言われる東北地方(イサーン地方)を車で何時間もかけてグルグルグルグル。その日泊まるホテルも決めれずあちこちした甲斐がありました。 実は今までイエローコクーンの繭の種類は一種類と聞かされて、「なんだぁ」と少しがっかりしていました。だってそんなはずないから。 それを一種類というのには、知らないのか、一色たんにしてしまっているのか。 どちらにしろ一定の品質、よりよいものづくりには少し遠いような気がしていました。 (もちろん着心地がいいので文句はないのですが、より良い製品つくりに糸をもっと知ることは重要に思えたのです) しかし、やっぱりそんなことありませんでした! 繭の種類は20種類。 そのなかでも、特に上質な糸を作り出す種類もしっかり区別され研究もされています。 特にいいとされている繭は2種類 その中でも10月〜12月の繭が湿気の関係で一番綺麗とのこと。 まさに今です。 この二種類。上の糸の方が黄色いのがわかるでしょうか? 完成時にはより光沢が出る種類だそうです。 どんな風合いにしたいかで使い分けたいですね。 とっても細い糸を作るお蚕さんなので一本の糸を作るのに80匹以上の糸をまとめあげます 日本の白い糸では考えられない本数 写真は生引きしてるシーン。 鍋の中には80匹〜120匹 糸の太さによって使いわけます。 実はこの繭から一本づつ細い糸がでているのですが、残念ながら写真には写りませんでした。 それほど細い! その分糸の中には十分な空気層が生まれ、断熱にも通気にもいい軽い糸が生まれます しかもその重さはひと束でわずか100g以下!! この束で1kg無いんです。 びっくりです。 おカイコさんも見せてもらいました。 このお母さんがこの村のまとめ役。 一生懸命説明してくれます。 お蚕さんは私の人生そのもので、家族のようなもの。 大事に使ってもらいたい。 と。 お蚕さんはこのように少し緑がかっています。 この子が吐き出した繭はこんなに黄色 外側の「マイレン」と呼ばれるぼやっとしたところを先に糸にして、 内側の「マイノイ」と呼ばれる綺麗なところのみを今回は入手。 糸の二種類は一旦日本に持って帰り研究する必要がありそうです。 残りは帯を作ってもらうところに発送。 どんなになるか未知の領域ですが楽しみです。 ...
腹を壊さなかった私のストロングストマックに、翌朝はしっかりと遅刻しなかったドライバー兼通訳のゴローさん。 今日は予定通りに産地に向かいます。 ジャスミンさんに朝の挨拶をすませ、一路産地へ。 こちらのロイエット県は基本は農家 それで自分たちの農作業着を作っていた人たちで一家に一台以上は機織り機があるそうです。作っていたと過去形で書いてしまいましたが、実はそんなに昔ではなく僅か20年ほど前まではそんな暮らしをしていたんだそうです 気候と歴史の中ではシルクが最適だったということで正に生活の布といえます。 ざてではそんな村の暮らしぶりを見てみましょう 幹線道路(タイでは地方までの幹線道路は結構しっかりしていて、某局の旅番組の様にひたすら山道を通ってはいきません)を一本入ると途端に整備されていない道が現れます そんな道を進むこと数分。 迎えてくれたのはこちらのお母さん 早速機織りを披露してくれます 糸は手紡ぎのシルク イエローコクーン それを庭にある木で染める このタマリンドの木の皮は茶色 バナナの葉っぱはグレー そんな風に庭の木を指して教えてくれます 庭にある木を有効活用するあたり、やはり生活で使われていた布だと実感します が家々のやり方があり家庭の色が微妙に違うのだそう。ちなみに正直私はその微妙な違いはまだまだ分かりません 兎に角綺麗な染めが出来ているかが重要。 今回の色はボッと呼ばれる実で綺麗なグレーを作り、クランと呼ばれる虫(が寄生した木)でピンクを使った糸を使っています。 正直染めるシーンや材料は綺麗なものではないのですが、クランはこんな感じ。 ボッは発酵中だったので掲載をやめておきます ちなみにこのお母さんも専業は農家 なので家には牛が一杯。 この辺りは牛に引かせて米を作っているらしくあちこちの道路で牛を見かけます。 軒先ではおばあちゃんがゴザ的な物を作る準備中 最高の笑顔にこちらもついサワディカーと手を合わせます さてさて私たちの注文した帯はというと? 無事に完成していました オーダーより長く・・・ まぁ若干の思い違いはありましたが、縦糸横糸とも生引きの手紡ぎ手織りシルク あや織りの光沢感にまざりとっても風合いのある生地が完成です!! 早速次回に向けて違う色もオーダー。 しかし、まだ判明しない謎 それは糸の具合 これは明日以降の課題 こっちにいるうちにバッチリ学んで帰りたいと思います まずは無事に帯が出来てきたことに安心。 本当にいい風合いに出来ていますので、是非日本でみてください ...