80本を一本に!?驚きの細さが着心地の秘密?
9:38:00
なんと綺麗な糸でしょう!
今まで見たこともないイエローコクーンの綺麗な糸に巡りあいました。
食の良し悪しは材料で決まる
それは衣の分野も全く同じだと思う。
安全性を求め食は生産者の顔が見えるようになってきた。
しかし衣の分野では糸を作っている人の顔を見たことがない。
実は「絹」に関しては99パーセントが輸入に頼っているのが現状。輸入先は主に中国とブラジル。
消費が加速する中で機械製糸のものが増えるのは仕方のないことだけど、本当に着心地のいいものを着るとなると、やはりゆっくりと糸を引いたものの方がいいのだと思う。
まぁその辺の詳細なデータは今回見送るとして、なんとなく感覚的にゆっくりと人を引いたもののほうが柔らかく、空気を含んで軽いことを想像してもらいたい。
そんな訳で「糸を作っている人の顔がみたい。」
「どうやってあの着心地いい糸ができるかを見たい。」
との思いを込めてやってきました。
バンコクから車で・・・何時間だろう?グルグルしたのでもはや分かりませんがまっすぐくれば7〜8時間でしょうか?
絹の核心部「糸」を作っている村。
タイで最も広いと言われる東北地方(イサーン地方)を車で何時間もかけてグルグルグルグル。その日泊まるホテルも決めれずあちこちした甲斐がありました。
実は今までイエローコクーンの繭の種類は一種類と聞かされて、「なんだぁ」と少しがっかりしていました。だってそんなはずないから。
それを一種類というのには、知らないのか、一色たんにしてしまっているのか。
どちらにしろ一定の品質、よりよいものづくりには少し遠いような気がしていました。
(もちろん着心地がいいので文句はないのですが、より良い製品つくりに糸をもっと知ることは重要に思えたのです)
しかし、やっぱりそんなことありませんでした!
繭の種類は20種類。
そのなかでも、特に上質な糸を作り出す種類もしっかり区別され研究もされています。
特にいいとされている繭は2種類
その中でも10月〜12月の繭が湿気の関係で一番綺麗とのこと。
まさに今です。
この二種類。上の糸の方が黄色いのがわかるでしょうか?
完成時にはより光沢が出る種類だそうです。
どんな風合いにしたいかで使い分けたいですね。
とっても細い糸を作るお蚕さんなので一本の糸を作るのに80匹以上の糸をまとめあげます
日本の白い糸では考えられない本数
写真は生引きしてるシーン。
鍋の中には80匹〜120匹
糸の太さによって使いわけます。
実はこの繭から一本づつ細い糸がでているのですが、残念ながら写真には写りませんでした。
それほど細い!
その分糸の中には十分な空気層が生まれ、断熱にも通気にもいい軽い糸が生まれます
しかもその重さはひと束でわずか100g以下!!
この束で1kg無いんです。
びっくりです。
おカイコさんも見せてもらいました。
このお母さんがこの村のまとめ役。
一生懸命説明してくれます。
お蚕さんは私の人生そのもので、家族のようなもの。
大事に使ってもらいたい。
と。
お蚕さんはこのように少し緑がかっています。
この子が吐き出した繭はこんなに黄色
外側の「マイレン」と呼ばれるぼやっとしたところを先に糸にして、
内側の「マイノイ」と呼ばれる綺麗なところのみを今回は入手。
糸の二種類は一旦日本に持って帰り研究する必要がありそうです。
残りは帯を作ってもらうところに発送。
どんなになるか未知の領域ですが楽しみです。
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